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"能力を育てる教育"ではない教育にたどり着いた理由

更新日:6月4日


一般的には、進学校に行くと幸せに近づくとされる。

自分は全く逆であった。


黒板にトーナメント表をかかれ、順番に喧嘩させられる小学校に育ち、総師範代が銃◯される空手道場に通い、1年生から遊びに行っていた近所の公園がシ△ナー公園と呼ばれている街に育った私は、避難のために中学受験をすることになる。


志望校は1校だけ。親父が飲み屋で「いい学校らしい」と聞いた大阪で一番偏差値の高い学校に入った。


僕以外はほとんど有名塾出身で、知り合い同士のようだった。政治家の孫に大病院の跡取り、教科書に載っている科学者の息子に医者の息子のオンパレード。


自分の父親は、何をしているのかよくわからない上に、謎にずっと家に居た。


勉強にもついていけず、ほぼ赤点。

先生の不良品を見るような視線が耐えられなかった。


すぐに学校に行きたくなくなった。


なんとか高校3年になり、受験の季節になった。

勉強なんてやる気にならず、ずっと下から2番だった。


友人たちが年間数百万する医学部専門の予備校に行く中、

『慶応を受けたい!塾にも行かずに受けるから!』

と親に相談すると、

『ウチはお金ないから無理。国立に行ってください』

と即答された。ならば奨学金でと食い下がったが、

あれは借金だからだめ。とのことで却下。


生まれてくる家を間違えたと真剣に思った。


自分の子どもが生まれたら、そんな思いはさせたくない。

《将来起業して成功したい》

そういう風に思ったのもその頃だったように思う。


ベンチャーの広告会社を経て、ひょんなことから教育の会社を起業することになった。

『生まれも育ちも関係なく、世界に羽ばたける教育』

のようなことを標榜し、2014年、探究学習をする学習塾と、それを家庭に届ける通信教育をはじめた。


"生まれも育ちも関係なく"というのは、自分の経験から来るこだわりだったが、現実は教育感度の高い裕福な方しか反応してくれなかった。経営として考えるならば、値段を上げ、高品質なサービスをするのが正しい決断だと思うが、自分にはそれができなかった。自分のそんなこだわりから、高単価を標榜する学習塾と、低単価の通信教育で会社が分裂した。


たった7名のメンバーもまとめられないのか。こんな人間が子どもに何を伝えられるんだろうと自暴自棄になっていた時、意外な救世主が現れた。


父親である。


ちょうど30歳の誕生日に、親父は大阪から東京に会いにきた。

はじめて肩をならべて飲んだ。


そんな親父に、長年の疑問をぶつけてみた。


「親父ってなんで生きているの?」


向上心もない。お金も稼がない。出世もしないし目標もない。

目標を持ち、努力して成功することが幸せだと思っている僕にとっては、疑問で仕方なかった。


親父は意外にも間髪入れず応えた。


「そりゃ、おまえたちが胸張って生きてることや」

「お父さんは、お前らが毎日大きくなっていくのを見るのが、本当に幸せやった」

「だから、仕事なんかより、毎日はやくお前たちの顔を見たかってん」


そう伝えられた時、過去の思い出が色鮮やかに蘇った。


毎日、朝はキャッチボール、

夜はプロレスをして、

一緒に川の字で寝てくれた。


休みの日はテレビゲームであそび、

プールでクロールを教えてくれた。


「早く明日になれへんかな」

幸福感でいっぱいだった。


恐らくこんなにも一緒に遊んでくれる父親はめったにいないだろう。

僕はずっと、幸せだったのである。


そう考え出してから、教育観も変わった。


自分は最高の教育をもらっていたのだ。


生きる力、生き延びる能力の前に大切な前提が欠けている。

それは、生きる意欲である。


子どもを商品のように扱い、能力の上下で優良不良を決めてしまうような教育では、

その延長にある社会に出たいと思わないのも当然である。


毎日が楽しくなければ、社会に出たいとも思わない。

毎日が楽しかったからこそ、この世界に希望を持った。


だから、親子の毎日は楽しくあってほしい。


それは、ただのゲームでも本当は良いのかもしれない。

しかし、ゲームばかりしていると、心配になってしまう家庭もあるだろう。


だから、学びになり、日常がもっと豊かに彩られるようなゲームを生み出したいと考えた。



そこで開発したゲームが、化学バトルカードゲーム、アトムモンスターズだ。






家族みんなで遊べるよう、ルールはとてもカンタンなものにした。






あそんでいるうちに、分子量や化学式など、勝手に記憶されているような仕掛けになっている。





アトムモンスターズは小学館《てれびくん》で漫画化してもらい、





2冊単行本化してもらった。







ハマった子どもは、

『この消毒液は何のアトモンでできているかな?』

と、日常の世界が楽しく見えてくる。



サムネイルを見るかぎり、たぶんこの700万再生された動画のギフテッドの少年も、アトモンであそんでくれているのだと思う。







ほかにも、テレビ東京さんとコラボレーションした、あそんでいるとお金のことに興味が持てる、『マネーモンスター』



こちらは、Amazonのランキングで1位を獲得した。






コロコロイチバン(小学館)で漫画連載中

部首の合体で漢字を召喚してたたかう、『カンジモンスターズ』













これまでのゲーム開発にはクラウドファンディングを活用し、サポーターのみなさまから累計1000万円以上の応援をいただいた。応援いただいたみなさまに恩返しするためにも、多くの人にゲームを広めたい。



父は5歳で母親を亡くし、父親から今でいうネグレクトをうけて育った。


友達も居らず、幼いながら本棚にあった太宰治や三島由紀夫などの小説を読んで育ったらしい。


しかし、そんな父だったからこそ、『普通の家庭』に強く憧れた。

家族と過ごす時間を何よりも大事にした。


僕が伝えたいことは、英会話教室に行けなくても、小3から進学塾に入らなくても、医学部に行かなくても、インターナショナルスクールに入れなくても、親から無視されたとしても、それでも自分には自分なりの与えられた使命がきっとあるということだ。


父は、『普通の家庭』をつくることを。

そんな家庭で育った僕は、『家族の楽しい時間を増やすこと』を。


それぞれが、自分の人生を楽しむための材料は、きっとすでに用意されているはずだ。


《世界っておもしろい》


これが弊社、タンキュー株式会社のビジョン。

漢字も、原子も、父も、僕も、きっとどんな大人も、子どもにも。


タンキュー株式会社は、そんなことに気づく体験を生みだす会社です。



 

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